2018年02月03日

登録文化財保存活用シンポジウム

今年初めての記事です。

 長期優良住宅認定関係の書類提出の為、色々と重なってしまい、年末年始忙しくしていましたので、更新できませんでした。反省です。

 さて、先日、愛知県国登録有形文化財建造物所有者の会(略称:愛知登文会)さんの登録文化財の保存活用シンポジウムに参加しました。

 プログラムは
1。群馬からの報告「ノコギリ屋根を活かしたまちづくり」講師:群馬登文協会長 北川紘一郎氏(無鄰館館 長、桐生ユネスコ協会、桐生・世界遺産の会会長)
2。「登録有形文化財の保存活用をめぐる状況」講師:文化庁文化財調査官 金井健氏
3。意見交換

 群馬の北川氏のお話は同じノコギリ屋根の多い一宮市民としては非常に興味深いお話でした。

「富岡製糸場」がユネスコ世界遺産になった事はみなさん記憶に新しいと思いますが、そこに行き着くまでには色々とあったそうです。

 まず1990年に桐生市文化財保護課職員の方の勇敢な行動と文化庁の理解により全国近代化遺産総合調査が行われた事は画期的であった事だそうです。
 その調査の中で群馬県ではノコギリ屋根建造物が約315棟、蔵約300棟、その他産業遺産を改めて確認されたそうです。つまり、群馬県内の絹産業遺産が宝の山であったことが再確認されました。

 1992年「桐生の街づくりフォーラム」が開催されました。そこでの村松先生のお話が今も生きていると言われます。それは「文化財の保存は難しいので、活用すれば良い」と言われた事だそうです。

 今でこそ文化財の活用と言われますが、当時では文化財といえば、大切に保存して歴史資料として展示公開するものという認識しかなかったそうです。
 ところが今では文化財建造物の多様化で国宝や重要文化財から登録有形文化財や伝統的建造物群もあります。また時代も近代、現代の建造物などや新たな価値を見つけ出して様々な文化財が存在します。
 ノコギリ屋根を保存だけしようとしても無理がありますが、新たな価値を創造して活用する事で生まれ変わるという事と思います。

 一宮市のノコギリ屋根の工場をみても現役の工場として稼働しているところもあれば、中の機械はすでになく物置になっている所や、住居として利用していたり、屋根や外壁が崩れて廃墟となっていたりと様々です。すでに解体されて別の建物が建っているところもあります。いずれにせよ活用される事無く、解体される運命を待つ物が多いと思います。

 北川氏のノコギリ屋根の活用はまちづくりを基本にしながら先進国としての活用ということで、クリエーターズバレー構想を展開しようとされたそうです。
 無鄰館ではクリエーター誘致を行い、アトリエとして造形家や画家のみなさんに利用してもらったそうです。

 文化財的価値の高い建造物を保存していくには活用しかないですが、この活用が難しいです。簡単に「古民家カフェ」や「古民家のゲストハウス」と考えがちですが、その建造物の建っている場所等のポテンシャルを検討しながら、建造物の強みを活かした活用を考えなくてはいけません。また改修保全だけでも資金が必要ですし、活用の為の改修にもお金がかかります。投資コストの回収ができる収支でなければ絵に描いた餅です。
 
 まだまだ勉強が足りんなあと思わせられる一日でした。
posted by 川島勝久 at 15:18| Comment(0) | ヘリテージマネージャー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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