2017年05月23日

地盤調査

昨晩はインスペクターズ東海さんの勉強会に参加しました。

テーマは「地盤調査と建物沈下修正工事」です。

講師は愛知ベース工業の営業の鈴木氏です。

 現在住宅の地盤調査で主流になっているのはスウェーデン式サウンディング試験(SWS試験)ですが、標準貫入試験のように土のサンプルがとれないので、土質は建物廻りの過去の地盤調査のデータなどを参考にロッドの回転する時の音や沈下量を経験値から推測します。

 ですから経験値によっては、腐植土などの固化材に悪さする土質が見抜けない事もあるそうです。
 腐植土は酸性を帯びる場合があり、セメント固化材はアルカリ性ですので中和されて固化しないことがあり、沈下の原因に成る場合があります。

 そこで簡単に土質が推察できるスクリュードライバーサウンディング試験(SDS試験)という試験方法が紹介されました。
 これはロッドの回転時のトルクと沈下速度で土質を推察します。砂質や粘土質、腐植土などがデータ化されて推察できるそうです。

 かっては湿地だったところなどは特に注意が必要です。でも、現在は団地化されるとその土地の履歴がわからなくなるんですよね。地名も変ると特にわかりませんね。

 講座では地盤沈下の家の沈下修正の工事も紹介されました。家の基礎の下に人が入れるほどの穴を掘って(敷地が狭いと人力だそうです。)ジャッキで鋼管杭を圧入していくそうです。

 杭の長さにもよりますが、支持地盤の深さが10mを超えると1000万円くらいかかるそうです。それでは建替えた方がよくないかとも思ってしまいます。

 昔、基礎より上の土台をジャッキアップする工事を見た事があります。見事に水平にもどってすごいなと思ったんですが、その家の方は少しも喜んではいなかったんです。だってただ単に水平になっただけで、キッチンや部屋が新しくなった訳でもないのに高い費用を払わなければいけなかったんですからね。

 やはり基本は地盤調査をして、できるだけ正確に土質を把握する事と改良工事については地盤調査会社の考察のみを鵜呑みにせず、設計者もきちんと検討することだと思います。

 まだまだ勉強しなくてはいけないんですよね。
posted by 川島勝久 at 11:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 家づくり豆知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月16日

プラネットジャパン

本日、プラネットジャパンの営業マンさんが訪ねてみえました。

プラネットジャパンとは、自然塗料のメーカーさんです。

 ドイツ・クライデツァイト社との共同開発でプラネットカラーやドイツ本漆喰のプラネットウォールなどを扱ってみえます。

 プラネットカラーは100%植物油と植物性ワックスを使用した浸透性の純自然塗料です。原材料はきちんと公開もしています。ドイツのエコマガジンでも安全性や環境に配慮した製造方法が評価されているそうです。
 現在は天然の松の油(バルサムテレピンオイル)を溶剤として使っていますが、今後は無溶剤が主流になっていき、こちらも先んじて取り組んでいるそうです。

 クライデツァイト社は青空市場で有機野菜を販売していたツィーゼマン氏が化学物質を含まない伝統的で安全な自然塗料の作り方の説明を始めていたのがきっかけで会社ができました。
 現在ではドイツ北部のザーレムという小さな村にあり、従業員は20数名以上になりましたが、最新式のミキサーとオイルを精製するポット以外は、今でも機械らしきものは見当たらず、毎年春になるとツバメが軒下に巣をつくり、工場裏手のカボチャ畑では使い残しの壁材などを堆肥として、秋にはパンプキンスープになって楽しんでいるそうです。

 クライデツァイト(KREIDEZEIT)とは、ドイツ語で白亜紀という意味だそうです。白亜は同社製品の中でも最も重要な原材料であり「大昔からの自然素材を用い、伝統的な方法でつくる」という意味が込められているそうです。

 ツィーズマン氏は「ラスコー洞窟に描かれている壁画から現代に至るまで塗料は常に私たちと共に歩み続けています。卵やビール、脱脂粉乳を使って塗料が作られていた歴史があるのに現代の人々が合成塗料しか知らないというのは驚くべきことです。」とも述べています。

 今までも何回かカタログをもらっていたんですが、今回始めてまじまじと詳しくこの会社の経歴を読んでみて、信念を貫くすばらしい会社だなと感心しました。

 私自身も、もう15年近く、シックハウスを勉強して、自然素材に関心があるわけですが、世の中ではもうすでに流行が去ったように、シックハウスの事はあまり言われなくなってきていますが、危険がなくなった訳ではないんですよね。

 人はどうしても話題性の高い事が優先されて、そこで学んだ事が話題が去ると一緒に忘れてしまいがちですが、私たち建築士は安心で安全な住まいを提案していくのに、そこは最低限基本としてこだわっていかなくては行けないんじゃないかと思っています。

 建築は学ぶべき事が多くて大変なんですが、今後も流行に流される事なく、ひとつづつ基本を守っていきたいと思っています。

プラネットジャパン
http://www.planetjapan.co.jp/index.html

 
posted by 川島勝久 at 18:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 家づくり豆知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月15日

建替えかリフォームか 迷った時はこう考える

5月20日、21日に 名古屋のクリナップ・キッチンタウン名古屋にてコープハウジング東海さんの新築&リフォーム住まいの教室が開催されます。

私も20日の午後1時40分から講師をやります。

テーマは「建替えかリフォームか迷った時の考え方」です。

 家が古くなってきて、リニューアルしたいんだけど、耐震性も不安だし、古いからお金掛けても良くならないんじゃないかなと思われ、リフォーム費用が多額ならいっその事新築した方が良いかもと思われている方々のために役立つ講座です。

 色々と講座の内容を考えたんですが、やはりポイントはきちんと問題点を整理することかなと。
なんせ金額も大きく、専門的知識がかなり必要な分野ですから、きちんと整理しないと訳がわからなくなってしまいますよね。

私としてはその辺のところをどううまく説明できるかですかね。事例も紹介しながらがんばって説明しようと思います。

 この住まいの教室は私の講座以外にも「家づくりの最初の一歩」や「新築コストダウン7つの法則」、リフォームでは人気講座の「リフォーム業界の裏事情」「我が家の寿命を20年延ばすコツ」「らくらく使えるキッチンリフォーム」などがあり、専門業者さんの「屋根・外壁塗り替えのポイント」などもあります。

講座のほとんどは一級建築士が話します。建築士事務所というと敷居が高くて出会った事がないと思いますので、この機会に専門知識の豊富な建築士の話を聞くのも住まいづくりの参考になるかも知れません。

ご興味があれば「コープハウジング東海」か「建築士協同プロジェクト」で検索していただければ判ります。



posted by 川島勝久 at 21:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 家づくり豆知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月12日

既存住宅状況調査技術者講習

昨日は、既存住宅状況調査技術者講習に行ってきました。

朝から夕方までのみっちり講習です。

 宅建業法が改正され、平成30年4月1日以降は中古住宅の売買の仲介を行う宅建業者に対し、売主又は買主との媒介契約時に建物状況調査を実施する検査事業者のあっせんの可否を示す事や、一定期間内に建物状況調査が行われた既存住宅が取引される際には調査結果の概要を買主へ重要事項説明すること等を義務つけることとされる予定です。

 その調査を行うのが建築士でこの講習を受けた既存住宅状況調査技術者なんです。

 調査内容は構造耐力上主要な部分と雨水の侵入を防止する部分を目視にて行います。目視ですので、直接見える部分が少ないので、構造や防水の観点で主要な部分に劣化や不具合があった場合に発生する劣化現象が調査の対象となるんです。

 ただ、誤解してはいけないのは、この調査は瑕疵の有無を判定するものでは無い事。(劣化事象がないので隠れた瑕疵がなく、将来雨漏れはしないことを保証するものではないということ。)時間経過による変化がないことを保証するもではない事。関係法令の適合を判定するものではない事。そのまま瑕疵保険に入れる訳ではない事。などがあります。

 中古住宅を購入するのに、家の状況って素人目にはわからず、プロの知り合いもいない場合、宅建業者さんを信じて購入するしかないといった事が、この改正で宅建業者さんが調査の説明(あっせんができるかできないか)をし、あるいは1年以内に調査が行われていたら重要事項説明時に説明されるんです。

 あくまでも「あっせんの可否」でインスペクションの義務化ではないので、売主、買主のどちらかが調査依頼するか決めなくてはならないんですがね。

 劣化調査の内容は既存住宅売買瑕疵保険と同等の内容で、その他一定の条件がそろえば、既存住宅売買瑕疵保険に加入することも望ましいと考えられています。

 私も昔からときどき中古住宅の買主さんからインスペクションを依頼されましたが、昔は大変でした。ある不動産屋さんには睨みつけられ、売主からも「ケチつけにきたのか」というような顔をされながら調査したものです。

 でも今はだいぶインスペクションが知れ渡り、お互いに良い契約を結ぶには建物の調査は必要だよね。といった雰囲気があります。

 ちなみにこの講習実施機関ではホームページ等で既存住宅状況調査技術者の公開や相談の受付などもされるそうです。中古住宅を購入を考えて見える方は是非この制度を利用されるのが良いかと思います。
posted by 川島勝久 at 16:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 家づくり豆知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月10日

四号特例

結構晴天に恵まれたゴールデンウィークはいかがでお過ごしだったでしょうか?

私は、打合せと勉強でした。

何の勉強かというと、古民家の改修などで検討できる限界耐力計算法を勉強しておりました。

これは結構難しい。

さて、本日、日経ホームビルダーのウェブ版を読んでいたら「四号特例」の議論が載っていました。

 一般の方は知らないと思いますが、四号特例は小規模な住宅等は確認申請時に構造計算書などを提出しなくても良いという特例です。

 一般の方は、プロが建てるのだから自社で構造計算はやっているよね。と信じたいのですが、実態は、特に木造の多くは業者の下請けのプレカット工場(材木屋さんで機械で柱、梁を加工する工場)が計算しているという事です。

 しかもプレカット工場が計算した物件100件を許容応力度計算で計算したら全てNGだったという学会論文もあるそうで、ショックでした。

 設計事務所だったら計算しているんでは。と思われますが、こちらも木造の住宅だと多くはプレカット工場まかせです。

 四号特例では構造計算しなくても良いとはなっていません。

 国交省が編集協力している構造関係技術基準解説書の15年版の令36条の3の解説の一部では「設計者は仕様規定や構造計算に関する規定に従ったうえで、さらに設計者判断などを加えて、安全な構造となるよう設計しなければならない。〜構造計算書の提出を要しない小規模なものについても、また構造計算による安全確認を行う場合においても、その主旨を反映しなければならない」とあります。

 一般の方には何を信じてよいか判らないと思いますが、ひとつの目安は「許容応力度計算で計算しているか」あるいは「長期優良住宅や住宅性能表示で耐震等級2以上となっているか」などと聞いてみたりして、過去の物件の計算書をみせてもらったらどうでしょうか?

 でもみせられても判らないですよね。そんな場合は第3者のそれらを熟知した建築士に相談することが良いと思います。
 
posted by 川島勝久 at 11:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 家づくり豆知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月02日

色の検討

ゴールデンウィークの狭間の本日。施主様と打合せしてきました。

連休明けの上棟に向かって、屋根や外壁の色、サッシの色、玄関ドアの色などの最終決定です。

 設計の段階でも外観のイメージをご説明していて、パースなどでも雰囲気をつかんでもらっていました。また施主様もそれ以来、町中のいろんな住まいを見て参考にされていたそうです。

 本日も違う色のパターンをパースにして検討してもらいました。色はご本人の好みもありますので、色々と迷います。基本はイメージなのでそれに合うか合わないかで決めるようにとご説明しています。

 設計の頃にイメージが少し食い違っていたので、外観デザインを修正していたので、色に関してはある方向性の巾を持って検討できています。私の方から配色のポイントを説明して検討してもらいました。

 玄関ドアの色は少し迷われ、カタログの色は印刷で、小さいので判らないとのことだったので最終2種類の候補を選んでいただき、色サンプルにて検討する事になりました。

 でもまだ樋の色も決めなくてはいけないので、これは現場にて検討ということにしました。実際のものができれば判りやすいですからね。

 設計段階で配色など全て決めておけるのが理想ですが、設計者が判っていても、施主様がよく判ってみえない事もあります。いざ決定となると人間ゆらぐものです。そのゆらぎを超えて決定する事が大切と思っていますので、このように何回も確認しているのです。

 だって永く住まわれるのは施主様ですので、できるだけイメージの食い違いをなくして納得のいく物にしていきたいと思っているからです。それこそオンリーワンではと思います。

 完成までには、まだまだ色々と最終決定しなければならないものがあります。少し大変ですが、楽しみながら住まいづくりをしていただければ良いと思っています。
posted by 川島勝久 at 18:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 豊明の家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする