2015年02月25日

揺れを抑えて、余震に強い

 コープハウジング東海さんと提携している建築士の集まり「建築士協同プロジェクト」では、あいち、みえ、ぎふの各支部のメンバーで住まいについての課題を毎年研究しています。

 昨日はその研究課題の中間発表で、あいち支部からは「制振工法」「省エネ研究」「住宅内の安全・危険」みえ支部から「建築士の役割」について発表され、それに対して、コープハウジング東海さんの担当者も含めて、意見を出し合い、ブラッシュアップしていくのです。

 制振工法の説明では、コープハウジング東海では新築は基本的に耐震等級2以上の長期優良住宅にしています。耐震等級2とは住宅性能表示で規定された基準で概ね大地震の1.25倍の力に対して倒壊しない程度の基準です。
 ただし、倒壊しない程度であって、地震の強さによっては傾く事はあります。そして、その後何度となく来る余震で倒壊するかもしれません。その為に制振金物を取付けることによって、柔らかく力を受け止めて、被害を少なくするものだそうです。発表された建築士は金属系の金属バネの復元力を使ったボウシンという金物を採用しているそうです。
 免震は優れていますが、金額が高価になります。この制振なら安価で地震の揺れを抑え込むにはいいということです。

 私自身はまだ制振工法については、不明な点があり、免震ほど高価でないとしても数十万円を投資するのですから、装置を取付けた時の効果の数量的な表示が欲しいことや、取付位置がメーカーまかせになっていて、どうしてそこに付けるのか分からないことです。

 制振工法が悪いわけではありませんが、費用対効果なるものが、分かればお施主様にも説明しやすいと思うのです。

 まあ、そういった疑問を解決する為の研究会ですので、今後の研究発表を期待したいです。

 コープハウジング東海で作る家づくりは、このような研究を重ねて、素敵で、性能の良い住まいを建築士と共に提案しているんですが、その建築士もこういった研究活動で鍛えられているんです。
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2015年02月24日

有松めぐり

先日、有松まちづくり講演会〜有松の町家保存・活用を考える〜に参加しました。

私、集合場所を有松駅ではなく、勘違いして鳴海駅に行ってしまい、遅参してしまいました。関係者のみなさんごめんなさい!

有松はパンフレットの「有松めぐり」によれば「有松の町は、慶長十三年(1608年)東海道筋に生まれた町です。阿久比庄から移住した竹田庄九郎はじめ八名により開かれ、絞りの名産地として発展しました。以来四百年、特色のある町並みは今も多く残り、絞りの文化とともに日本の美しさを今日に伝えています。」とあります。

まずは、グループに分かれてまち歩きです。しかもガイドさんも同行していただき分かりやすかったです。
コースは服部家、スズサン、山車会館。有松鳴海絞会館、棚橋邸、岡邸、竹田嘉兵衛邸です。
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この下見板は火災時に取り外すようにできているそうです。すごい!
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山車会館です。天保年間に作られたという山車「唐子車」
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服部家です。すごいウダツです。
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竹田家です。

竹田邸では茶室でお抹茶をいただき、見学させていただきました。

3時からは講演会です。講師は名古屋市の歴史まちづくり推進室の栗並秀行氏、テーマは「有松における町並み保存の経緯・取り組み」「伝建地区指定を見据えたまちづくりにおける、地元、行政、専門家の連携のあり方」です。そのあと、コーディネーターの名古屋大学大学院教授の西澤泰彦先生の司会でパネルディスカッションとなりました。

有松は古くは1955年に城戸久先生がすでに調査されていて、保存活動も活発になったそうなんですが、その後やや下火になりましたが、2008年に歴史的まちづくり法『地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律」ができ、今では重要伝統的建築物群保存地区が増えつつある今、この有松も伝建地区を目指しているそうです。ただし、空き家が増え、保存の難しい民家を維持して行く事は大変な事で、色々な悩みも多いそうです。

また、空き家になったり、補修したりする時に誰に相談したら良いか分からないということもあって、足助のように町並み景観相談会のようなものが有った方が良いとのことです。

歴史的建築物群というのは保存色が強いですが、保存だけでは長続きしません。町づくりが大切で、有松も歴史的まちなみを活かしたまちづくりを目指す事が大切ではという意見もありました。それに有松はなんといっても世界に有名な「有松絞り」が有り、これは強みだということです。

西澤先生のお話で「建物を言葉を尽くして誉めよう」というのが、印象的でした。単に「素敵だ」とか「かっこいい」だけではなく、きちんと言葉を尽くして建物を誉める事が大切であり、それが一生懸命腕を振るった職人さん達への敬意ではないかとのことです。
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有松では色々なイベントもあります。10月第一日曜日には秋季大祭でからくり人形が演技する山車が曵き出されます。また有松絞り祭りも6月第一の土日に開催されます。みなさんもいかがでしょうか。名古屋に近い歴史的な町並みで癒されてみては。




ラベル:民家 伝統的建築
posted by 川島勝久 at 12:51| Comment(0) | TrackBack(0) | ヘリテージマネージャー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月14日

小屋裏換気と雨漏れ対策

長期優良住宅では 劣化軽減として、等級2,3では小屋裏の換気があります。

夏の暑い空気が小屋裏に溜まると、室内は暑くなります。また、構造材の梁や母屋などの湿気対策にもなります。
木造では、構造材をできるだけ通気や換気によって、湿潤しないようにした方が長持ちします。

 この為に、小屋裏のある外壁に大きな換気口を設けたりするのですが、デザイン的にはあまり良くないので、できるだけ、見えないところで換気するように、空気を軒先から入れて、屋根の一番高い棟から抜くというのが、理想的な換気と考え、ディテールを検討するのですが、これがかなり難しいです。

 特に、下屋と呼ばれる、1階の屋根が外壁にぶつかったところです。軒先から空気を入れて、外壁にぶつかったところで小屋裏の空気を抜く穴を開ける為に、屋根の防水紙を破らなければいけません。もちろん漏水の可能性は高くなりますし、住宅瑕疵担保責任保険の基準にも合っていないので、専用の金物などを使って、検討します。

先日は、その換気の金物の専門メーカーのハウゼコさんの勉強会に参加してきました。

 今回はデザイン系の建築家さん向け勉強会のようで、内容もデザイン住宅の場合の換気金物の紹介が多かったと感じました。

 日本の気候風土では、古来より、軒の深い、勾配の急な屋根が良しとしてきましたが、デザイン住宅として、現在、軒が無い家とか、箱形になった家が多くなって来ています。当然、漏水や、小屋裏や壁内が換気できずに内部が湿潤になるリスクが高まります。

 このリスクを解決するような換気金物をハウゼコさんは研究開発しているということです。しかも「住まいの屋根換気壁通気研究会」という団体を立ち上げ、有識者からの意見を聞いたり、実験したりしているそうです。

 しかも内製率90%で、こういった勉強会をしながら、色々な質問や現場で困っている事を聞きながら、それらを商品開発しているそうで、5000種の商品になっているそうです。

 講演では、会社が大阪なので、しゃべりが関西なまりの神戸社長さんが、ややミヤネヤの宮根アナに似た調子でおもしろかったです。

 デザイン系の住宅では、モルタル壁も多いのですが、以外に壁通気を7割がしていないとか、ルーフバルコニーの立上がりパラペット天端からの壁通気のディテールがうまくできていないとか、あるそうです。また、小屋裏換気計算も実は根拠が不明なのではとか、勾配が緩い屋根は換気量が不足するなど、実践と研究からくる話が参考になりました。

 私の聞いた話でも、先ほどの下屋と壁との取り合い部分の換気を取る為に、雨は上から入るからと間違って解釈して雨押さえ板金を載せて、壁際で穴を開け、屋根防水を切っているという話を聞いて、恐ろしくなりました。雨は上から降ってくるだけではなく、風や台風の影響で吹き上げます。雨押さえ板金の隙間から吹き込んだ雨水はその穴にまで達したら、巻き返しがないので漏水するということです。図面にはその部分の指示はなかったそうで、専用の取付け金物すら知らなかったそうです。瑕疵保険の設計基準でも雨水の侵入防止として基準があるのですが、知らなかったのでしょうか。

 設計者は工務店まかせで、工務店は職人まかせで、職人は言われた事だけを施工していたら、どうなるのでしょうか。せめて、まじめに研究しているハウゼコさんのようなメーカーさんの勉強会でも参加したらと思うのですが、そんな事も考えながら、私自身も勉強させていただきました。

 



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2015年02月09日

景観と町並みを活かしたまちづくり

昨日は、一宮市の尾西歴史民俗資料館で名古屋市立大学大学院芸術工学研究科の溝口正人先生の講演を聞きに行ってきました。

溝口先生は文部科学省文化審議会専門委員で、愛知県文化財保護審議委員です。

タイトルは「景観と町並みを活かしたまちづくり」で〜まちかどの「財]とまちの魅力づくり〜でした。

 歴史資料の保存で建造物は文化財の中でも厄介な物です。なぜなら、雨ざらしで傷みやすく、修理が必要で、旧状が大事(復原)で、しかも収蔵庫に入らないときているからです。しかも所有者の意向もあり、文化財として残すのには大変なんです。

 でも皆さんは古い町並みへ旅行に行かれる事はあると思います。京都や奈良もですが、近いところでは犬山や足助、名古屋では四間道や有松など、古くて、歴史を感じる町並みは素晴らしいと感じられると思います。

 ヨーロッパでもパリや、イタリアの都市など旅行では近代的な建物より、歴史を感じる建物や町並みを堪能したいと思われるでしょう。

 欧米では環境共有の法理として、「環境はすべての人々のものであり、誰も勝手にこれを破壊してはいけない」とあるそうです。また、ヴィクトル・ユゴーは「一つの建物には二つの要件がある。建物の効用と、建物の美しさである。効用のほうは、建物の所有者に帰属するが、建物の美しさはすべての人に帰属する。したがって建物を破壊するということは、所有者の権限を超える事なのだ」とも言っています。

 でも、そうは言っても大変なことですよね。所有者も含め、地域の方にも理解を得るのは難しいことです。

 日本では、戦後の住宅不足から、戦前の質の良い建材を用いて手入れをしながら長く使うという概念から、量の確保が最優先となり、また、住宅対策は手っ取り早い景気対策としても用いられ、いつの間にかスクラップ&ビルドになってしまい、再開発ということで、古い町並みが壊され、大きなビルと地域性の無いどこにでもある町並みが増え続けてきたのではないかと思います。

 先生から「これからは少子高齢化で人口が減っていくのに、多くの住戸、床面積は必要なんですか?」という問いかけが有りました。

 私たちは知らない間に流行に流され、目先にとらわれすぎて、大切な事が見失われているのかもしれません。

 歴史的な町並みを保存すると言う事は大変な事なんですが、とりあえず、住み続ける、あるいは、使い続けることから考えていく事が大切なんだと思います。

 でも、自分のところはそんな大それた歴史的な町並みではないんじゃないのとも思う事もあるのでしょうが、以外に視点を変えてみて見ると、そこかしこに気になる建物や景色があったりします。

 古い民家もあれば、タイル張りの近代の洋館らしき建物もあるでしょう。学校も歴史のあるものもあります。

 それから、先生から教えていただいた方法では、それらしい雰囲気のある街道を写真に撮って、パソコンで電柱や電線を消して、後から付け足したようなパラペットのファサードをはずしてみたら、なんとなく雰囲気の良い街道ができあがることを知りました。

 日曜日の午後に非常に有意義な講座が聞けて、大変満足しました。ただ、少し残念だったのは、その会場に集まった方々が少しご高齢の方々であった事です。もっと若い方々にもこんな話を聞いてもらえば、いいのになあと思いました。

posted by 川島勝久 at 20:42| Comment(0) | TrackBack(0) | ヘリテージマネージャー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月07日

足場がはずれました。

桜ヶ丘の家の足場が取れました。

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外観です。

定例会議で家具の最終打合せと、建具の打合せ、照明器具とコンセント、スイッチの最終確認を行いました。

これから内装の仕上に入っていきます。また駐車場の擁壁工事も始まります。

あと、少しです。工務店のみなさん、よろしくお願いします。

posted by 川島勝久 at 10:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 南欧風の家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月05日

マンションリフォーム完成

本日、マンションリフォーム完成です。

昨年の年末から工事していた、マンションのリフォームが完成しました。

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壁、天井のクロスと床のフローリングの張替、浴室の改修とキッチンを入れ替えました。

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 床のフローリングは暖かさと調湿効果のある新城の杉生さんの杉板のフローリングです。普通は4mですが、マンションのエレベーターでの持ち運びを考慮して2mに加工していただきました。巾は135で結構いい感じです。ワックスはドイツの自然塗料を塗っていただきました。

 浴室は、普通洗面所の手前側から入っていくはずなんですが、奥に回り込むように引き戸があり、それに合わせて浴槽があったので、手前から入るようにサッシの入口を替えて、浴槽を奥に変更するように計画しました。

 変形した浴室でも対応可能なタカラのショールームへ行って色々と検討したんですが、どうも色々な条件でユニットバスが入らなかったんです。そこで、色々と検討して、浴室用のパネルと据え置き用のTOTOのポリバス、そして、浴室すのこの「カラリ床」で改修しました。

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 狭い洗面所もスペースを広くとれる洗面化粧台に取替て、引き残りが10cmくらいあったへんな引き戸もアウトセットの引き戸に取り替えました。(このマンションの浴室と洗面の戸が変なのには驚かされました。)

 工務店さんはマンションリフォームに慣れてみえて、ご近所の方に丁寧に挨拶されて、評判も良く、今日は是非見学したいとのことでご近所の方もお見えになった程です。

 昨日と今日の検査で手直し部分の指示をして、住みながらの工事だったので、家具の移動もあり、私も運んだり、テレビの配線を繋いだりとお手伝いしました。

 完成と言っても細かい家具の配置はこれからで、ぼちぼちやりますよとお施主様もお疲れの様子でしたので、完成写真といっても、がらんどうでは味気ないので、少し落ち着いてから、また写真撮ることをお願いしておきました。

 お施主様、工事関係者のみなさん、お疲れ様でした。
ラベル:杉板 浴室 クロス
posted by 川島勝久 at 21:23| Comment(0) | TrackBack(0) | マンションリフォーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月03日

古民家再生への想い

今日は、登録文化財建造物保存・活用講座に参加しました。

最初は「古民家再生への想い」と題して、降旗建築設計事務所名古屋分室の川辺先生から、臼杵市の荘田平五郎記念こども図書館のお話と、氏が携わってきたこれまでの古民家の再生や移築の設計事例が紹介されました。この道30年と言われ、再生や移築において、特に法規と予算との闘いに苦労されたお話は参考になりました。

次に「空き家をまちの縁側に〜寿ゞ家再生活用プロジェクトの取り組みから〜」と題して、地域人文化学研究所代表理事の天野氏の話がありました。

まず、気になったのは「地域人文化学研究所」という名前ですが、これは設立趣旨は「地域資源を活かした面白い活動を展開し、「とよた」らしい魅力が光る地域づくりを行う」とあり、団体名は地域+地域の人+人文(生活)+文化+化学(触媒)+研究所(実践の場)という意味だそうです。設立は2013年のNPO団体です。

活動内容は足助にある「寿ゞ家再生活用プロジェクト」等があり、今日はそのお話でした。

 天野氏は足助の町並み保存と活用を担保としたまちづくりの一手段として、重要伝統的建造物群保存地区への選定に関わり、関わったのがご縁で、この団体を設立し活動をはじめたそうです。

 寿ゞ家を応急的に修繕再生し、足助中学校にて「足助の町並みのデザインを考える」という学習を行ったり、愛知県の若手アーティストによる足助ゴエンナーレを開催したり、花火大会鑑賞会や月見の会なども開催しました。

 古い民家の再生と活用、そして、連携と交流、「縁側」としての機能などをめざして、がんばっているのですが、問題はこの活動をどのように継続させられるのか?ということで、建物、人、資金などの問題が山積みだそうです。

 しかし、天野氏は「弱点を楽しむ」そして、「道はたぶん、自分の後ろにできてくる」と言って、がんばってみえるのです。

 最後に「ぜひご一緒に!面白く。」と締めくくられ、一緒に活動する仲間を募集中とのことです。

 古民家の再生、活用と言っても簡単ではなく、地道な活動が必要なんですね。是非、お近くでご興味のある方は地域人文化学研究所のHPをご覧になってください。
     http://catalyst-r.jimdo.com/
posted by 川島勝久 at 19:46| Comment(0) | TrackBack(0) | ヘリテージマネージャー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする